2008年6月5日木曜日

シャンパンとドイツ(1)








Googleのロゴが熱気球になっていたのをご覧になっただろうか。
1787年6月5日のモンゴルフィエ兄弟の偉業をモチーフにしたものである。(左の画像はhttp://www.google.co.jp/logos/balloon08.gifの画像を表示したもの。)

Googleのこのロゴをクリックすると、
「世界初 熱気球」の検索結果にジャンプするという趣向だ。

私がこの検索を行った時にトップに表示されたサイトが
という、Webマガジン「カーソルKersol」の記事であった。
クリュッグとは、最高級シャンパンの製造元である。
Google検索すると、楽天市場などの販売関連のサイトが多くヒットする。

その中で読み物となっているのは
YOMIURI ONLINE 2005年8月10日の、6代目当主のオリヴィエ・クリュッグ氏のインタビュー記事だろう。

さて、ドイツ酒飲み党としては、Krugの綴りは見過ごせない。
真っ先に思い浮かぶのがBierkrug(ビアクルーク)。ビールジョッキ、ビアマグであった。

Wikipediaドイツ語版を覗いてみると、Humpenへと転送される
Bierkrugが見出し語とされていなかったことに軽い衝撃を受けた。

ところで、クリュッグ創立者「ヨハン・ヨーゼフ・クリュッグ」とは、一体どこの国の人なのか?
「ヨハン・ヨーゼフ」は明らかにドイツ語の響きだ。
懲りもせず、Wikipediaドイツ語版にヒントを求めよう。

1800年マインツ生まれ、1866年Reims(シャンパーニュのランス)没とある。
やっぱりドイツ人か!と早合点せずに先を読むと、
「当時のマインツはフランス統治下にあった。幼少よりフランス風の生活を習い覚えていたので、彼自身はフランス人という自覚を持っていたのかもしれない・・・」
とのことである。
フランス革命やナポレオンの支配など、18/19世紀は「ドイツ」にとって、変革の時であり、西部の要衝マインツもその一つであったことが、ここからもわかる。
ちなみに、フランス語版のWikipediaでも、表記はJohann-Josephとされている。
記事執筆時点ではクリュッグ社の項目へのリンクはないが、
と、独立した項目もある。

さてそこからクリュッグ社の公式サイト(英語/フランス語)へ飛んでみると、閲覧に年齢制限が設けられているので、国と生年月日を入力しなければならない。
それぞれの国の未成年/飲酒許可年齢以下の者はサイト閲覧できない。
1990年6月1日生まれでも、日本では閲覧不可で、ドイツなら画面が先へ進む。
残念ながら詳細な社史は載せられていない。
クリュッグ社のサイトにはドイツ語版が用意されていない。
この会社はドイツへのアイデンティティがないのだろう。
無理からぬ話ではある。
Krugはフランス語風にKrugクリュッグと読もう。
そして、19世紀のマインツに思いを馳せる。
ただし、ビールを飲むなら、Krugクルークだ。

ビールとシャンパン、泡の出るお酒、という共通点のほかにも、意外な接点があった。

ところで、ドイツ語で発泡ワインのことを「ゼクトSekt」と呼ぶ。
ここにドイツの作家E.T.A.ホフマンも一席絡んでいるのだが、その話はまた別の機会にしよう。

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