2008年6月28日土曜日

監査法人・・・ドイツ語では?

毎日、自分の世間知らずを思い知る日々の連続だ。
いま、NHKで、「監査法人」という土曜ドラマ(全6回)をやっている。(NHK番組紹介サイト

先日、ドイツ人の友人から、メールが来た。
去年教えてくれたM&Aのドラマについて、もうちょっと教えてほしいんだけど。ビデオは買えるの?
これはもちろん、NHK土曜ドラマ「ハゲタカ」のこと。(NHK番組紹介サイト
彼には去年お茶したときに、
ドイツでもM&Aの用語は英語を使ったりするの?
ホワイトナイトとか、ゴールデン・パラシュートとか
などとのんきに質問をしたものです。
やっぱり英語もずいぶん使うそうです。
経済学は新聞やテレビから見聞きする程度の知識しかないので、「ハゲタカ」は欠かさず見るほど楽しみました。
今回また、NHK発の経済ドラマが放送されるというので、「監査法人」もじっくり楽しんでいる。
こんなドラマも始まってるよ
と返事をしようと思ったところで、はたと気づいた。
監査法人ってドイツ語でなんというの?
まず、電子辞書に搭載されている小学館和独辞典から。
「監査法人」では見出し語も用例も掲載なし。
「監査」:Rechnungsrevisor
「会計検査」:Rechnungsprüfung, Bücherrevision

スーパージャンプ機能を使って、小学館大独和やDudenUniversal、OxfordDUDEN独英などに飛んでみても、どうも安心できない。

Wikipediaの他言語へのジャンプ機能での扱いが気になったので、検索してみたが、「監査法人」の項目からの他言語へのリンクはなし。
「会計監査」など、べつの見出し語からあちこちWikipediaを日・独・英をぶらぶらしてみる。
世界4大会計事務所の項目で、アムステルダムに本社を持つKPMGが挙げられているので、これは期待できる!
KPMG (ロゴに"Audit, Tax & Advisory"とある)のサイトへ飛び、ドイツ語版へ切り替えると、当然あります!
Wer wir sind (会社紹介)
KPMG ist eines der führenden Wirtschaftsprüfungs- und Beratungsunternehmen...
"
Wirtschaftsprüfungs- und Beratungsunternehmen"
直訳すると、「経済活動の監査企業 兼 コンサルタント企業」となります(「経済監査コンサルティング企業」でもいいのですが)。
監査法人をドイツ語でいうとこれになるのか・・・。

と、ここまできたところで、別の便利サイトの存在を思い出した。
オンライン独和辞典wadoku.deは、ユーザー参加型の特性を生かし、新しい単語や流行語も多数取り込まれています。
監査法人 {Wirtsch.} Buchprüfungsgesellschaft {f}.
・・・初めからこっちを見ればよかったか?
Buchprüfung「帳簿の監査」。
また、Unternemenでは大企業だが、Gesellschaftなら、規模は関係ない。
とはいうののの、Buch(帳簿)では、業務範囲が狭いようにも感じる。
しかも、BuchprüfungsgesellschaftはWikipediaドイツ語版には見出し語にもなっていないし、ほかの見出し語へのジャンプもないので、やはり安心できない。

WikipediaのBig4(4大監査法人)のドイツ語項目名はBig-Four-Prüfungsgesellschaftenとなっている。
Als Big Four werden die vier derzeit größten Wirtschaftsprüfungsgesellschaften bezeichnet,
とあるので、やはりWirtschaftsprüfungsgesellschaftが妥当だと「承認いたします」。
ところでこの文中のリンクWirtschaftsprüfungsgesellschaftenの行先はWirtschaftsprüfung(会計監査)となっているんだよなぁ。
項目立てるほどではないのかな?

おまけ
「ハゲタカ」DVDボックスはすでに発売していました。


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2008年6月5日木曜日

シャンパンとドイツ(1)








Googleのロゴが熱気球になっていたのをご覧になっただろうか。
1787年6月5日のモンゴルフィエ兄弟の偉業をモチーフにしたものである。(左の画像はhttp://www.google.co.jp/logos/balloon08.gifの画像を表示したもの。)

Googleのこのロゴをクリックすると、
「世界初 熱気球」の検索結果にジャンプするという趣向だ。

私がこの検索を行った時にトップに表示されたサイトが
という、Webマガジン「カーソルKersol」の記事であった。
クリュッグとは、最高級シャンパンの製造元である。
Google検索すると、楽天市場などの販売関連のサイトが多くヒットする。

その中で読み物となっているのは
YOMIURI ONLINE 2005年8月10日の、6代目当主のオリヴィエ・クリュッグ氏のインタビュー記事だろう。

さて、ドイツ酒飲み党としては、Krugの綴りは見過ごせない。
真っ先に思い浮かぶのがBierkrug(ビアクルーク)。ビールジョッキ、ビアマグであった。

Wikipediaドイツ語版を覗いてみると、Humpenへと転送される
Bierkrugが見出し語とされていなかったことに軽い衝撃を受けた。

ところで、クリュッグ創立者「ヨハン・ヨーゼフ・クリュッグ」とは、一体どこの国の人なのか?
「ヨハン・ヨーゼフ」は明らかにドイツ語の響きだ。
懲りもせず、Wikipediaドイツ語版にヒントを求めよう。

1800年マインツ生まれ、1866年Reims(シャンパーニュのランス)没とある。
やっぱりドイツ人か!と早合点せずに先を読むと、
「当時のマインツはフランス統治下にあった。幼少よりフランス風の生活を習い覚えていたので、彼自身はフランス人という自覚を持っていたのかもしれない・・・」
とのことである。
フランス革命やナポレオンの支配など、18/19世紀は「ドイツ」にとって、変革の時であり、西部の要衝マインツもその一つであったことが、ここからもわかる。
ちなみに、フランス語版のWikipediaでも、表記はJohann-Josephとされている。
記事執筆時点ではクリュッグ社の項目へのリンクはないが、
と、独立した項目もある。

さてそこからクリュッグ社の公式サイト(英語/フランス語)へ飛んでみると、閲覧に年齢制限が設けられているので、国と生年月日を入力しなければならない。
それぞれの国の未成年/飲酒許可年齢以下の者はサイト閲覧できない。
1990年6月1日生まれでも、日本では閲覧不可で、ドイツなら画面が先へ進む。
残念ながら詳細な社史は載せられていない。
クリュッグ社のサイトにはドイツ語版が用意されていない。
この会社はドイツへのアイデンティティがないのだろう。
無理からぬ話ではある。
Krugはフランス語風にKrugクリュッグと読もう。
そして、19世紀のマインツに思いを馳せる。
ただし、ビールを飲むなら、Krugクルークだ。

ビールとシャンパン、泡の出るお酒、という共通点のほかにも、意外な接点があった。

ところで、ドイツ語で発泡ワインのことを「ゼクトSekt」と呼ぶ。
ここにドイツの作家E.T.A.ホフマンも一席絡んでいるのだが、その話はまた別の機会にしよう。

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