復帰第一弾としては軽い内容です。
NHK連続ドラマ小説「どんど晴れ」大詰めの2007年9月28日の回で、
ドイツのローテンブルクRotenburg ob der Tauberにある銘文について、言及がありました。
ドイツにあるローテンブルグの古城に書かれた「来る者に安らぎを去り行く者に幸せを」を引用して(Wikipedia「どんど晴れ」 ゲスト出演 岸本隆一郎(夏八木勲)の項目より)早速ネット検索したところ、これはローテンブルクのシュピタール門にある銘文のようです。
Spitalとは、貧窮院、救護院のことで、日本の病院でもこの標語を採用するところがいくつもあるようです。
ドイツ語では、
Friede den Eintretenden, Heil den Hinausgehendenだという。(ローテンブルク市の観光情報サイト Spitaltor/Spitalbastei)
den Eintretenden と den Hinausgehenden が3格「~に」なのは、複数形の定冠詞の形からも明白です。
細かく解説すると、eintreten「歩み入る」という動詞の形容詞化(現在分詞)を元に名詞化した、複数名詞「歩み入る人々」です。
「動詞→形容詞→名詞」と品詞を変えているわけです。
では、Friede と Heil の格はどうなのか?
基本的には、4格(~を)とすると都合がいいことは、訳文からも分かります。
その場合、Wir wünschen「私たちは望む」Die Stadt wünscht「この街は望む」などが省略されていると考えるとわかりやすいでしょう。
Guten Tag!というあいさつが、4格で表す(guten)のと同じです。
もっとも、Gott gebe「神よ与え給え」、Es gebe「存在してほしい」などが妥当なところでしょう。
省略された主語・動詞も無事見つかり、格も分かってどんど晴れ・・・といければいいのですが・・・。
もうちょっとネット検索すると、銘文の原文はこのようになっているようです。
Pax intrantibus Salus exeuntibusもちろんラテン語です(銘文の写真は検索すれども見つからず)。
さて、「平和Friede」と「幸福Heil」 を表す語"Pax"と"Salus"は主格(ドイツ語の1格)です。
この感覚を生かし、FriedeとHeilを1格とすると、これは受け身なの?
Friede werde (von Gott) den Eintretenden gegeben...
Friede möge ... gegeben werden...
・・・めんどくさい。
いや、やはりここは4格、4格ということにしておきたい。
無理矢理ですが、どんど晴れ!
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